徒然日記

約7年間の出来ごとです。

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「一体これは?」
我ながら間の抜けた声を出してしまった。
昨日の疲労が抜けないまま出社し、いつものように出発の準備をしようと営業車の扉を開けた。

そこには見慣れないクーラーボックスが3箱置いてあった。開けてみるとそこには大量のサンプルがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。

「それ明日と明後日の分だから使って。」
振り向くと先輩がいた。にやついた表情に恐怖を覚えた。

「明日は土曜日ですけど?」
社内規定では1週間に2日休みを取ることになっている。原則日曜日は固定で休みになっており、その他の曜日は自由に振り替えられる。
俺も先輩も月曜日から金曜日まで出勤したので、明日は休みということくらい知っているはずだが。

「いや、てっきり明日も営業に出るかと思って、用意しといたんだけど?別にいらないなら俺が使うけど?」

全く意味がわからないまま、更に続いて、

「今月もこのままのペースでいくと目標達成なんか夢のまた夢なんじゃないかな?だったら今のうちになんとかしようとするもんじゃないの?」

ようやく理解できた。簡単に言えば目標達成できなきゃ休みなんかないぞと暗に示しているのだ。断固拒否したいが上司命令では逆らえない。

「そのクーラーボックスはお前の家に置いておけ。間違っても会社に置き忘れんなよ。」

つまり、会社のタイムカードも押すなということだろうか。
「当たり前だろ。車も使うなよ。」

そう言って去っていく。しばらく何も考えられなかった。