徒然日記

約7年間の出来ごとです。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

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「ばあばっ‼ねえ、ばあばってば‼空き瓶‼なんか変な人来た‼ヨーグルト食べた‼ 」インターホン越しに聞こえてきた幼い声。 全体的に意味不明なのは良しとして、カメラに映った俺の姿はそんなに変なのかとチクっと心が傷付つく。 しばらくして、先日サンプルを…

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「お疲れさまです。」 携帯を手にしたが、まだふらつきは治まらない。 「どう?」 どうやらいつもの進捗状況の確認の連絡のようだ。「契約は獲れていません。具合が悪く、近くの公園で休んでいます。」「そうか。それじゃまた連絡するから。」たったそれだけ…

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異変に気付いたのは自分自身ではなく、お客さんの方だった。「あんた、顔色悪いよ?これあげるから飲みな。」そう言われて500ミリリットルのスポーツドリンクを手渡された。「あんた、若いのに頑張ってるから契約してもいいんだけど、私、乳製品ダメなのよ。…

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「ママー。あの人旅行に行ってきたのかなー?」 「指差しちゃだめ‼さっ。早くいきましょ。」マスクをかけた親子連れに不審者扱いをされつつ ガラガラゴロゴロ耳障りな不快音を出しながら歩くこと30分。キャリーカートを引っ張りながら出かける人なんて怪しい…

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「キャンプにでも行くんですか?」 そこに置かれたのはアウトドア用品売り場で見かけるキャリーカートだった。しかし、いくら頭を捻ってみてもキャリーカートと仕事は到底結び付かない。「そんな訳ないだろ。お前、今日から車使うの禁止だから。」どういうこ…

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「バック、何回切り返しすれば気が済むの?」 嵐のような嫌味に耐え、どうにか会社に到着した。既に精神は限界だった。いくら運転下手とはいえ言い過ぎだろう。 「俺にも家族がいるし、まだ死ねないから。」いっそのことわざと事故ってやろうかと何度思った…

14

「ちゃんとバックミラー見て。なに。殺す気?」 後方から来るバイクに気付かずに、左折しようとしてしまい、慌ててブレーキをかけた。「これで免許証持ってるとか、嘘でしょ?俺が担当の試験監督だったらとっくに不合格だぞ。」いや、元々運転は得意ではない…

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「おいっ。まだ赤信号だぞっ。」 近所のお爺さんが手にした黄色い旗を自分に向けて怒鳴り散らした。歩道には高校生の男子がエナメル製の野球バックを背負いながら歩いている。 そのうち何人かは驚きながら振り返るがそんな視線は全く気にせず駆け足で走った…

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「これ、昨日と一昨日の契約書です。」 月曜日、朝礼が終わり準備をしている先輩に鞄から出し渡した。 土曜日2件、日曜日1件、合計3枚の契約書をヒラヒラさせながら、 「大丈夫?すぐに辞めたりしない? 」 と不躾に聞いてきたが、恐らく問題はない。 3件全…