徒然日記

約7年間の出来ごとです。

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「バック、何回切り返しすれば気が済むの?」
嵐のような嫌味に耐え、どうにか会社に到着した。

既に精神は限界だった。いくら運転下手とはいえ言い過ぎだろう。
「俺にも家族がいるし、まだ死ねないから。」

いっそのことわざと事故ってやろうかと何度思ったことか。

まあ結局は実行できなかったけど。

とにかくこれからは一人だ。気持ちを入れ替えて営業車にいつもの荷物を運び準備を始めようとすると、
「今日からこれを使って。」
先輩はそう言って、ガチャリと見慣れないものを目の前に置いた。
「これは?」

ぱっと見て、一体何か分からなかった。